むちうちの症状について

突然の交通事故、そんな時に見舞われる症状は様々ですが、中でも多いのがむちうちでしょう。

後ろから追突されたり正面衝突をしたりした時、激しく首がしなることで頚椎を捻挫、つまりむちうちが起こってしまうのです。

もしも交通事故に遭った場合、大事なのが速やかに病院へ行くことです。

事故後でも無傷に感じることもあって、そのまま放置されてしまうことも少なくありませんが、症状は後から出る場合が多いとされています。

緊張状態にある事故直後の場合は痛みを感じにくいのですが、気持ちが落ち着いてきた頃になると、痛みや吐き気、めまいなどの症状が起こることがあります。

人によって不調が起こるタイミングはバラバラで、1週間程度の期間を経てから違和感を覚えるようなことも少なくありません。

場合によっては後遺症が残ってしまう恐れもある症状ですので、何はなくともまずは病院へ行くことが推奨されます。

参考サイト:むちうち(頸椎捻挫、腰椎捻挫)の後遺障害等級と申請ポイント

 

加害者側の自賠責保険を使って治療を受けられる

病院へかかる場合、気になるのが費用の問題かもしれません。

お金が掛かるとなると躊躇する人もいますが、その点は安心することができます。

というのも相手がいる事故の場合、加害者側の自賠責保険を使って治療を受けられるからです。

自費での治療とはなりませんので、費用の発生を理由に病院へ行くことを諦める必要はありませんし、むしろ積極的に治療を受けるのが得策と言えるでしょう。

ただし、相手の保険を使うにあたって大切なポイントがあります。

それは物損事故として処理をしてもらうのではなく、人身事故としての処理に拘ることです。

というのも、物損事故の場合はケガの程度が軽いと判断されますので、相手側の保険会社に治療費の支払いを早期に打ち切られることがあります。

むちうちの症状は長引くことも多く、長期的に治療を受けることが大切なのですが、治療を希望しても物損事故ではそれが叶わないのです。

 

物損事故として処理されるケース

ただ、そうしたデメリットがあるにもかかわらず、物損事故として処理されることもあります。

その理由はいくつかありますが、ひとつに加害者側から希望が出されるケースです。

被害者側は特別、不調があるわけでもなく、相手も反省しているようだからなどの理由で、物損事故での処理を承諾するケースもあります。

しかし、加害者の希望通りに物損事故にしてしまうと、治療費が出ないどころか、のちに後遺障害などが出たとしても慰謝料を請求することができなくなります。

そもそも加害者が物損事故に拘るには理由もあって、平たく言えば人身事故扱いになるよりも、メリットのある状況になるからです。

民事や刑事、行政といったペナルティが、物損事故の方が圧倒的に小さくて済むため、事故を起こした側はどうしても物損扱いの方が助かるというわけです。

特に職業ドライバーは人身事故にされると困ると考える傾向が強いと言えます。

免許が停止になり運転ができなくなりますし、刑事罰が生じるとなれば会社をクビになる可能性も出てくるでしょう。

おまけに慰謝料の支払いもせずに済みますので得になることばかりです。

 

迂闊に物損扱いで処理しないことが肝要

もしも交通事故に遭った時、物損事故にして欲しいと言われた場合でも、こうした裏事情があることを理解し、迂闊に物損扱いで処理しないことが肝要です。

損をするのは自分自身ですので、感情に流されるなどせず、冷静な判断を下すようにしましょう。

ただ、何かしらの事情があり物損事故で警察に処理してもらうこともあるかもしれません。

その場合、後で後悔をするかもしれませんが、まだ切り替えに間に合う可能性もありますので諦める必要はありません。

長期間、時間が経過している場合は難しいですが、それほど時間が経っていない場合、物損事故から人身事故へと切り替えられます。

それによって相手にペナルティを与えられるほか、治療費をしっかりと出してもらえたり、慰謝料請求ができたりとメリットが出てきます。

したがって冷静に考えたら人身事故にすれば良かった、そんな時には診断書を警察へと提出して、切り替えの手続きを行ってもらうことが推奨されます。

 

弁護士が介入することによって適切に交渉をしてもらえる

切り替えをすることで慰謝料請求もできるようになりますが、ただ、この点に関して被害者と加害者の間で揉めてしまうことが少なくないのです。

できるだけ沢山もらいたい被害者側と、できれば少なく済ませたい加害者側の間で意見が割れます。

交渉自体は保険会社が行ってくれるものの、スムーズにはいかないことも考えられるでしょう。

そういった場合、弁護士に間に入ってもらうのもおすすめと言えます。

弁護士が介入することによって適切に交渉をしてもらうことができ、慰謝料の額がアップすることもあるのです。

それだけでなく、治療費に関しても得することがあります。

相手の保険会社はできれば早期に治療費の支払いを打ち切りたい考えを持っていることが多いですが、不当な打ち切りに遭いそうな場合も代理で交渉をしてくれますので、納得がいくまで治療を受けられるようになる可能性が高まるのです。

最終更新日 2025年7月31日